キャンサー・ボード(Cancer Board)って聞いたことありますか?
今日、私が所属する「がん診療プロジェクト」の企画で、「キャンサー・ボード」の院内学習会が開催されました。講師はがんセンターの統括診療部長の先生でした。
キャンサー・ボードというのは、簡単に言うと、様々ながん診療に関わる医療関係者(医師…内科・外科・放射線科・腫瘍内科など、薬剤師、看護師など)が集まって、治療方針が難しい症例をみんなで意見を出し合って検討する会議のことです。なんとなくはわかっていましたが、具体的にどのようにしているのかわからなかったので興味深く拝聴しました。
がんセンターだけでなく、全国の各病院で行なわれている状況を紹介していただきましたが、病院の規模によっても内容が異なることがわかりました。私たちのような中規模の病院の方がかえって様々な科や職種が集まりやすいのかもしれないと感じました。
限られた人数で狭い範囲の中で治療方針を決めてしまうと、時に独りよがりになってしまうことがあります。広く意見を求めると視野が開けるものです。そういった意味でこのキャンサー・ボードという考え方はより良い治療方針を選択する意味でも有益なものだと感じました。
私たちの病院は「がん拠点病院」を目指しています。そのためにはキャンサー・ボードが行なわれているということが一つの条件ですので、その準備としてがん診療プロジェクトでこの学習会を企画しました。しかしどうせなら単に形だけ整えるのではなく、患者さんのためにより良い方針が出せるようなキャンサー・ボードにしていきたいものです。
2 件のコメント:
いつも乳癌の定期健診にいくと、婦人科の悩み、抗ガン剤による皮膚への影響、歯肉炎・・・等々の悩みを丹念に聞いてくれる場所がないものか、と思っています。
不調な個所を訴えても、私の身体は一つなのに、バラバラに分けられる治療に、さみしい思いをします。
総合的にみてもらえる所ができるといいですね。
>ハッピーさん
それが理想だと思います。しかしだいたいの初期対応は乳腺外科でできると思いますが、歯科的な処置が必要な状況であればやはり歯科か口腔外科を紹介するのが正しいと思います。抗がん剤の副作用で乳腺外科で対応可能なものもありますが、専門家にお願いしたほうが良い場合もあるのです。患者さんにとっては負担が大きいかもしれませんが、それは患者さんのためにお勧めすることですのでご了解下さい。
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