2011年7月10日日曜日

乳がん再発治療研究会2

乳がんの初期治療に関しては、手術、放射線治療、術後補助療法、そして術前療法とさまざまな研究が世界中で行なわれてきて、この20年の間に飛躍的な進歩を遂げました。

一方、再発に対する治療は未だに十分なガイドラインができているとは言えない状況です。そして、患者さんを含めた一般の人たちはもちろん、私たち自身も再発治療に関して様々な疑問を持っています。

例えば、

①再発したら治癒は不可能なのか?
②再発巣が消えて何年経過したら治癒と判断できるのか?
③治癒できる可能性があるとしたら、それはどのようなタイプでどのような再発形式なのか?
④再発に対する外科治療は、本当に外科医の自己満足だけで無意味なことなのか?
⑤延命効果は何ヶ月以上あれば有意義だと言えるのか?

などです。

これらの命題を解決するための検討は、一つの施設の症例だけでは困難な場合が多いのです。同じような経験を集積して検討しなければなりません。そのために多施設で検討できる場が欲しいと思っていました。

研究会の内容としては、例えば、各施設で再発治療後に治癒した症例を初再発部位別に集め、そのサブタイプなどのがんの性質や治療内容を検討する、同じような状況の再発患者さんに対して全身療法に局所治療を加えた群と加えなかった群の生存率、平均生存期間を比較する、この20年間の治療法の進歩で再発治療においても生存期間や生存率に進歩がみられたのか、などを考えています。

どのようなメンバーでどのように研究会を立ち上げていけばいいのか、少し時間をかけて考えてみたいと思います。

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