2011年7月24日日曜日

スギナと乳がんと外科治療


今日久しぶりに庭の雑草取りをしました。

札幌郊外のこの場所に住み始めて14年、ずっとスギナと戦ってきました。最初は裏庭は芝生だったのですが、雑草がどんどん増えてきて、特にスギナに占領されてしまっために6年ほど前にやむを得ず芝生からアスファルトに変えました。

スギナは根が長く、取っても取っても生えてきます。最初はできるだけ深く根を追いかけて抜いていましたがすぐに生えてきました。あるときどこまで伸びているのかスコップで掘ってみたら80cmくらいまで伸びていて塀の外まで達していました。これを見てからはスギナを手で抜くことを断念しました。

雑草を手で抜くのは外科治療に似ています。除草剤を撒くことは化学療法を行なうようなものです。根から入るタイプの除草剤は強力です。しっかり撒けば半年近く雑草は生えてきません。しかし、花や木の近くに撒くと、それらも枯らしてしまいます。まるで、抗がん剤が正常細胞を痛めつけてしまうようなものです。

スギナは言わば非常に悪性度の高い乳がんのようなものです。外科治療だけではすぐに再発してしまいます。砂利や単なる路地に生えたスギナなら試験管の中のがん細胞のようなものですから、強力な除草剤で退治できます。しかし、写真のように芝桜(花は咲いていませんが…)の中に生えてくると非常にやっかいです。外科的治療(草むしり)のみではすぐ再発しますし、化学療法(除草剤)を行なえば正常細胞(芝桜)も強いダメージを受けてしまいます。今日は結局外科治療のみであきらめました。ひと月もすればきっと元通りになってしまいます…。

外科的治療を一定間隔で繰り返すのが良いのか、副作用覚悟で化学療法を併用すべきか、判断は難しいです。一番良いのは、正常細胞(芝桜)にダメージを与えずにがん(スギナ)のみを退治してくれる治療が開発されることです。これは言わばハーセプチンのような分子標的薬に相当します。

そんなことを考えながら草むしりをしていました。乳がん領域の治療においても、正常細胞に影響を与えないような薬剤がもっと開発されるといいのに…とつくづく思いました。

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