2011年7月13日水曜日

乳腺症 vs 非浸潤がん〜微妙な病変

最近、診断に苦慮する微妙な病変が連続しています。

乳腺症の一部のように見えますが前にはなかった所見ですとか、乳腺症のムラが局所的に目立つなどの所見が指摘されて、細胞診で「鑑別困難」(乳腺症 vs 非浸潤がん)という判定となることは今までもありました。

こういう場合、かなり前は悪性の疑いが一定以上あれば「Probe lumpectomy(試験的乳腺部分切除術)」を行なって診断的治療を行なっていましたが、最近ではまず針生検(コアニードル・バイオプシー:CNB)を行なって、だいたいは良悪の診断がついていたのです。ところが、ここのところの症例は、針生検を行なっても「鑑別困難(乳腺症 vs 非浸潤がん)」というケースが連続していて頭を悩ませています。ほとんどの病変が良性(乳腺症)なのですが、ごく一部の乳管内に非浸潤がんを思わせる病変が混在しているため、このような診断になっているのです(量的に十分な病変がなければ「非浸潤がん」と診断するのは困難な場合があります)。

超音波技師さんたちが必死に病変を探してくれるため、このような微妙なものが見つかってくるのだと思います。大変ありがたいことではありますが、悩ましくもあります。できるだけ太めの針で何本も検体を採取するのですが、本来はマンモトームで生検するほうが情報量が多いので、そろそろ針生検(CNB)に頼るのは限界なのかもしれません。

マンモトーム導入に消極的なG先生、そろそろ購入を検討してみませんか?

2 件のコメント:

柴 さんのコメント...

はじめまして

お忙しいところ大変恐縮ですが、
ご相談させていただきたいことがございます。

以前より、両乳房に石灰化・のう胞が多数あり、毎年マンモとエコーで検診受けていました。
今回、左乳房に明らかにのう胞とは違うしこり(2つ)が見つかり、多分線維線種でしょうとのことでしたが、穿刺吸引細胞診検査をしたところ、要再検査になり、
針生検(CNB)をおこないました。
結果、摘出した4本の組織のうち1本から軽度の異型を伴うflat epithelial atypiaの像が
認められました。
とりあえず経過観察ということで、次回6か月後の検診となりましたが、FEAを調べたところ、『FEAは乳がん前駆病変とされており、低異型度非浸潤性乳管癌の最も早期の組織像であろう』と書かれており、愕然としてしまいました。
質問させていただきたいのは以下の通りです。

1)FEAのあるしこりは、いづれ悪性化(癌化)するのでしょうか?

2)FEAのあるしこりをこのまま経過観察しておいてよいのでしょうか?凄く心配です。
(しこりが3㎝以上になったら摘出すると伺っています。現在の大きさは6㎜です)

3)もし癌化する可能性が少しでもあるのなら、今すぐにでも摘出したほうが良いのではないでしょうか?

4)良性か悪性かを決定づける方法として、マンモトーム生検をお願いすべきでしょうか?

大変お手数ですが、ご回答いただけたら幸いです。
宜しくお願い申し上げます。

hidechin さんのコメント...

>柴さん
はじめまして。
なかなか微妙な病変と診断されたのですね。
当院では今までFEAと診断された症例はありません。もし仮にそういう結果になった場合は乳腺病理アカデミー坂元クリニックにコンサルテーションすると思います。その上でその診断が正しければ、非浸潤がんが合併している可能性や今後がんが合併してくる可能性についてそのまま患者さんにお話しして切除するか経過観察するかを決めると思います。
ご質問の内容に関しては、がん研究会有明病院病理部の堀井先生が書いているこのサイトが参考になると思います(http://nyugan.info/tt/qa/q2_12.html)。
前がん病変であっても考え方はいろいろあると思います。ご心配でしたら摘出生検の必要性について主治医に再度お聞きしてみるか、セカンドオピニオンをお願いするのも良いと思います。メスを入れることに患者さんが抵抗がある場合が多いですので、こちらから摘出生検はなかなか勧めにくいものです。柴さんが摘出を希望されれば案外主治医の先生もほっとするかもしれませんよ?
お答えになっていませんが取り急ぎ以上です。