2011年9月7日水曜日

抗がん剤漏出の治療薬 キッセイが日本での開発・販売権取得

抗がん剤が血管外に漏出した場合に起きる組織障害については以前にここでも書きました(http://hidechin-breastlifecare.blogspot.com/2011/01/13_23.html)。

今までは抗がん剤が漏出した場合には、主に局所麻酔剤とステロイドを混ぜたものを局所に注射して炎症を抑えるくらいしか対処法はありませんでしたが、海外では治療薬がすでに承認され使用で切る状態のようです。

この治療薬は「デクスラゾキサン」という薬剤で国内では未承認です。デクスラゾキサンは細胞の成長や増殖に必要な酵素の働きを抑えて組織障害を防ぐ世界唯一の治療薬です。今回、キッセイ薬品工業はオランダのスペファーム社から、この薬剤の日本における開発・販売権を取得し、すでに臨床試験の実施など開発に向けて規制当局と協議を始めていると発表しました。

同薬は、未承認薬・適応外薬の国内開発を促進する厚生労働省の専門会議が「医療上の必要性が高い」と判断して開発要請していましたが、スペファームは日本に開発基盤がないため、開発企業の募集が行われていたそうです。

どんなに気をつけても一定の確率で抗がん剤の血管外漏出の可能性はあります。このような薬剤が本当に効果があり、安全性も確認されたのでしたら化学療法を行なっている私たちにとっては強い味方になってくれることでしょう。

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