2011年9月9日金曜日

ノーベル賞の田中耕一さんが乳がん治療に新たな知見!

2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんが、乳がんの悪性化に関わるとされるタンパク質の構造を世界で初めて詳しく解析することに成功したというニュースが流れました。これはノーベル賞受賞につながった質量分析装置を改良し、分析感度を最大1000倍に向上させたことによるもので、京都大学との共同研究で明らかにされました。

今回発表された内容は、ここにも何度か書いてきた、乳がんの悪性化に関わるタンパク質「HER2」に関するものです。田中さんらはHER2と結合する糖の化合物(糖鎖)を解析し、HER2と結合する糖鎖が患者さんによって違いがあることを発見し、HER2と結合する糖鎖のほぼ全容を確認したということです。

この発見は、HER2陽性乳がんにおいて今までのような画一的な治療ではなく、個別の治療ができるようになる可能性を秘めたもので今後の治療薬開発に展望を開くものになるかもしれません。ハーセプチンに続くHER2陽性乳がんに対する分子標的薬は次々と開発されてきていますが(タイケルブなど)、なかなかハーセプチン登場時のインパクトを越える薬剤は開発されていません。実用化はまだまだだと思いますが、今回の発見が、新たな日本発の分子標的薬開発につながるように期待しています。

4 件のコメント:

カピ さんのコメント...

私もTVのニュースで知りました。HER2と結合する糖鎖のほぼ全容という内容にとても驚きました。延命効果の意味を違う視点から考える機会ともなりました。ある雑誌に「糖鎖のかかわる病気」のひとつに乳がんが触れられておりました。最新情報をありがとうございます。

hidechin さんのコメント...

>カピさん
私も研究結果の詳細は難しすぎてわからないのですが…(笑)
このような基礎研究の成果が臨床に役立つ日が来ると良いですね!

ミチ さんのコメント...

hidechin先生こんにちは。
現在ハーセプチン投与治療中です。
全18回のうち、半分が終わったところです。
田中耕一さんのこのニュース、私も見た瞬間に、何だか嬉しくなり、hidechin先生が何かコメントされているかな?と、こちらのページに見に来ました。
詳しくは全然よくわかりませんが、私のような現在進行形の患者には今すぐ関係することではないのでしょうね?
将来的に、沢山の人の役に立つといいですね。

hidechin さんのコメント...

>ミチさん
半分終わったのですね。あともう少し、頑張って下さいね!
実はこのニュース、私自身は見落としていて、患者さんに教えてもらったのです。やはりご自身が乳がんとたたかっているとこのようなニュースは気になりますよね。今すぐは関係なくても将来の治療がさらに進歩することを期待したいですね!