2011年9月26日月曜日

乳がん検診受診率が増加!〜今後の課題は?

NPO法人乳房健康研究会(霞富士雄理事長)がこのたび発表した乳がん検診に関する意識調査の結果によると、40歳代~60歳代の女性における、乳がん検診無料クーポン対象者のマンモグラフィ検査の受診率が45.7%だったそうです(今年6月の調査)。以前発表されていた無料クーポン対象者の受診率は30%台だったと記憶していますので、ようやく定着してきたようです。厚労省の目標値(50%)までもう少しです。

ただまだ問題はあります。今回の調査によると無料クーポンの対象者でない場合の乳がん検診受診率は、35.5%だそうです。私自身の経験でもクーポン券は初回の検診やしばらく中断していた患者さんを検診に向かわせる良いきっかけになっているのは事実ですが、1-2年後の乳がん検診を受けてくれるかどうかはわかりません。できるだけ次回の検診時期についてご案内するようにはしていますが、無料かどうかが受診動機に影響を及ぼす可能性は否定できません。できることなら隔年の乳がん検診をすべて無料にしてくれると良いのですが…。

それと長期的に見た課題としては、乳がん検診受診率の増加が乳がん死亡率の低下につながるかどうかということがあります。さらに言えば全死亡率の低下につながることが本来の検診の目的です。超音波検診の導入を含めて、誰もが受けやすくて、日本人に合った安全で合理的で有効な検診方法の確立が重要だと思っています。

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