今日、札幌近郊の乳腺外科医数人で集まった、再発治療困難例の研究会に行ってきました。
今回が2回目ということですが、呼びかけ人の乳腺クリニックの先生にお誘いいただいて、初めて参加しました。本当に少人数ですので、アットホームな雰囲気で発表中も随時質問や討論をしながらの会でとても勉強になりました。
発表は私も含めて3つありましたが、偶然、すべてトリプルネガティブの発表でした。どこもトリプルネガティブには苦労しているようですが、T病院腫瘍内科の先生から、少量シスプラチン+イリノテカンの2週に1回投与がけっこう奏効しているという情報をいただきました。前後に1000mlずつの補液が必要ですが、十分に外来投与が可能とのことです。まだエビデンスがあるわけではありませんが、一つの有力なオプションにはなりそうです。
また、以前ここでも書きましたが、やはりヒスロンHやXC療法が効いた症例があるようで、今回提示した私たちの症例にも検討の余地はありそうです。この症例は局所再発のみなので、これらの内服治療に温熱療法の併用はどうか意見を聞いてみたところ、有効かもしれないとのコメントもいただきました。来週、G先生が夏休みから戻ったら検討してみようかと思っています。
小さな研究会ですが、その分、自由に意見を述べられるのでなかなか良い会だと思います。次回も参加予定です!
4 件のコメント:
1ヶ月ほど前に初めてこのブログを知りました。それからはさかのぼって以前の記事を読んだりさせていただいています。とても参考になることが多いですが、ここをもう少し知りたいと思う事も度々でした。それで思い切ってメールさせていただきます。
私はトリプルネガティブ、小葉ガン、最初の手術時のリンパ節転移は30以上取って全滅でした。その後、異時性両側、胸壁?というか表面に点々と出て、10カ所以上、切除、今は肝臓、肺、リンパ節、骨の転移にまで進み、抗がん剤治療中です。
いろいろやりましたが、12月から効かなくなって最近ジェムザールの単独でやっと腫瘍マーカーが少しだけ下がりました。
でも、これからどれくらい効果があるかわからないし、いつまで効くのかも・・・
エリブリンやカルボプラチン、アブラキサンなど注目していますが、まだ私の病院では使ってもらえないようです。
この「少量シスプラチン+イリノテカンの2週に1回投与がけっこう奏効している」というのも有り難い情報ですが、この療法は分量など一般的になっているのでしょうか?また、乳ガン患者に普通に使えるものなのでしょうか?
既に初発から14年、けっこう頑張って来たと思いますし、まだ副作用以外はかなり普通の生活をしていられるので恵まれてはいると感謝していますが、これから先のことを考えるとやっぱり・・・
もう少し近ければ、すぐにでも診察を受けてご意見を、と思いますが、先生は札幌の方のようであまりにも遠く、難しいです。メールで失礼ですが、またいろいろ教えていただけたら有り難いです。
>カノンさん
はじめまして。
長く治療をされているのですね。現在の状況はかなりご心配でしょうね…。ジェムザールが奏効することをお祈りいたします。
シスプラチン+イリノテカンについてですが、言葉足らずで申し訳ありません。イリノテカンは乳がんの保険適応が認められていますが、シスプラチンは保険適応外です。ですから私の病院でも簡単に使用することはできません。どうしても必要な場合は、倫理委員会などの承認が必要です。この場合、シスプラチンにかかる経費は病院持ちになってしまいます(施設によっては患者さんの自費で行なっているところもあるかもしれません)。
エリブリン、アブラキサンは保険適応が認められていますし、カルボプラチンはHER2陽性乳がんに対して公知申請が通っています。もし今の治療が奏効しない場合には、主治医の先生にもう一度適応についてお聞きになってみて下さい。
それでは治療頑張って下さいね。お大事に!
お忙しい中、早速のお返事ありがとうございました。
やはり、抗がん剤の使用についてはかなり規制がありますね。
ジェムザールを2投1休で2クールやったところですので、もう少し研究しながら様子をみてみます。
私の主治医は広く外科で、乳ガンについて特に詳しいというわけではなく、こちらも少しは勉強して、時々情報提供しないと新しい治療についていけませんので。
ありがとうございました。
>カノンさん
主治医の先生とと十分に話し合って納得のいく治療が受けられると良いですね!
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