いきなりこんなドイツ語を書いてもなんのことかわかりませんよね?これは私が東京のG病院での研修を終えた時に、恩師のK先生から色紙に書いていただいたお言葉です。たまたま部屋を整理していて戸棚に飾っていたのを思い出しました。
実は今でもこの言葉の意味を完全には理解できていません。
Durch :〜を通して
Wahrheit :真実
zur:〜への
Klarheit :明快さ
ネットで調べてみてもドイツ語のサイトしか引っかかってきません。なにかの格言のようですが…。
エキサイト翻訳で直訳すると「明快さへの真実を通して」となりましたが今ひとつ意味不明です。自分勝手に解釈したのは、「目の前の患者さんたちから得た経験をもとに病態の真理を追究しなさい」という感じですが、正しいかどうかは自信ありません。もしわかる方がいらっしゃったら教えて下さい。
G病院での研修中に(もう15年も前になりますが…)私はよく「乳腺部屋」と呼ばれていたデータ管理をしていた部屋に調べものをするために訪れていました。そこのパソコンには10000例を超える乳がん患者さんのデータが入っていて医療秘書さんがデータ管理をしていました。ごく普通の一般病院から来た私にとってそれは宝物のようなデータでした。普通の病院では何も物事を語れないような珍しい症例や事象もここでは1施設で集めることができます。
いま自分の病院にいるとそのデータがうらやましくなります。きっと日常診療で疑問に思ったことの答えの多くはそのデータから導き出せることでしょう。でも数が少なくても想像力は働かせることはできます。患者さん1例1例を大切にして、そこで得られた経験から推理を働かせ、真理に近づくような努力をしていかなければならないと思っています。それがいつかG病院のデータなどで証明される日が来ればきっとK先生からいただいた言葉の意味に近づけるのだと信じています。
5 件のコメント:
はじめまして、乳癌1年生のぶらいすと申します。
いつも拝読させていただいております。
ドイツ語は全然わかりませんが、少し検索してみましたら、
日本消化器外科科学会雑誌第34巻4号のPDFに、http://journal.jsgs.or.jp/pdf/034040297.pdf
3ページに
6.Durch Klarheit zur Wahrheit
BillrochはZurich時代から研究において統計的解析を重視していた。また、治療成績をごまかすことのないよう、すべての結果を示すように教育していた。
「自分の治癒経験を数字で示すことのできないものは「山師」である。…真理に達するためには明瞭に示さねばならない。どのような方法でどこが進歩したかを明らかにせよ。失敗を認めるのを躊躇してはならない」(1867年)
Durch Klarheit zur Wahrheitは教室訓となっている。
という、ところがありましたので、コメントさせて頂きました。
何か、お役に立てれば幸いです。
とりいそぎ、お知らせまで。
はじめまして、乳癌1年生のぶらいすと申します。
いつも拝読させていただいております。
ドイツ語は全然わかりませんが、検索してみましたら
日本消化器外科学会雑誌第34巻4号のPDF
http://journal.jsgs.or.jp/pdf/034040297.pdf
3Pめ
6.Durch Klarheit zur Wahrheit
BillrothはZurich時代から研究において統計的解析を重視していた。また治療成績をごまかすことのないよう、すべての結果を示すように教育していた。「自分の治癒経験を数字で示すことのできない者は「山師」である。…真理に達するためには明瞭に示さねばならない。どのような方法でどこが進歩したかを明らかにせよ、失敗を認めるのを躊躇してはならない。(1867年)Durch Klarheit zur Wahrheitは教室訓となっている。
と書かれているところがありました。
何かお役にたてれば幸いです。
とりいそぎお知らせまで。
>ぶらいすさん
はじめまして。
Billroth大先生のお言葉だったんですね。無知でお恥ずかしい限りです。解釈としては近いですがもう少し深い意味があったのですね。でもおかげですっきりしました。
情報ありがとうございました!
その情報でよかったんですね。
よかったです。
いつも、先生のブログはとってもわかりやすく、
たくさん学ばせていただいてます。本当にありがとうございます。
いつか、一度お礼を申し上げなくてはと思っていたところ
ちょうどいい機会になりました。
いつも学ばせていただいてばかり、
少しでもお役に立てたなら、とってもうれしいです。
お忙しい中、ブログの更新、大変だと思いますが
ご無理のない範囲で、末永く続けていただけますよう
お願いいたします。
楽しみにしています。
それではまた。
>ぶらいす さん
ありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします。
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