今日は月1回の症例検討会がありました。G先生はセミナー参加、N先生は当直のため、乳腺外科医は私一人で少しさみしかったです(泣)また、冬という季節のためか、院外からの参加者が非常に少なかったことも残念でした。もっと魅力ある症例検討会にしていかなければならないと反省しています。
今日も症例は4例でした。
超音波検査とMRでは限局しているように見えましたが、広範囲な乳管内進展を伴っていた微小浸潤がん、典型的な硬がんかと思ったら限局した浸潤性小葉がんだった異時対側乳がん症例、良性もしくは圧排性増殖を示すがんのような境界が比較的明瞭で縦横比に低い楕円形の画像を呈した硬がん、そして超音波画像では硬がんを強く疑う像を呈した浸潤性微小乳頭がん(invasive micropapillary carcinoma)の4例でした。詳細は省略しますが最後の症例は、腫瘍のほぼ全体をこの組織型が占めておりMR画像がとても興味深かった症例でした。
invasive micropapillary carcinomaは最近、乳癌取扱い規約に掲載された比較的珍しいタイプの乳がんです。リンパ節転移を高度に伴いやすいため、予後が悪いタイプと言われています。この患者さんのがんは乳がん検診のマンモグラフィで1cm以下の大きさで発見されたため、リンパ節転移は認めませんでした。ER陽性、Ki-67陰性という結果だったため、本来ならホルモン療法のみで良いのですが、悪性度の高い組織型ということでG病院のI先生に電話でご相談したところ、リンパ節転移がなかったなら通常の組織型と同様に判断して良いということでしたのでホルモン療法のみで経過をみています。乳がん検診が非常に有効だったと考えられる症例でした。
症例検討に集中していたためか、来月の乳腺センターの総括のスライドに使う写真を撮ろうと思っていたのに撮り忘れてしまいました(泣)しかたないので古い写真を探してみます…。
終わったのは8時過ぎでしたが、毎月一生懸命に準備してくれる技師さんたち、遠くから参加してくれる参加者の皆さんに感謝しています。これからさらにミニレクチャーや講演会なども取り入れて魅力ある症例検討会を継続していきたいと思っています。
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