現在、早期乳癌の再発予測因子(抗がん剤の上乗せ効果判定を含む)としてホルモンレセプター、HER2、Ki-67や核異型度などが用いられていますが、最近新しい再発予測因子検査法がシスメックス社によって開発され、検査受託サービスが開始されました(http://www.sysmex.co.jp/news/press/2012/120130.html)。
この検査法は、細胞周期プロファイリング(C2P)法と言います。この検査では、がん細胞が分化・増殖する周期に関連する2種類のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)のCDK1、CDK2の発現量と活性を測定します。そして発現量に対する活性の程度(比活性)を算出し、この数値をもとにスコア化し再発リスクを判定します。詳細は同社のHP(http://lifescience.sysmex.co.jp/ls/products/c2p/index.html)をご参照下さい。
サービスはすでに1月末から開始されていて、医療機関から提供を受けた患者さんの検体(乳がん組織)を、シスメックスの神戸にある研究施設で検査します。検体受領から2~3週間で再発リスクを「H(高)」「I(中間 Mと書いてある情報もあります)」「L(低)」「判定結果得られず」のいずれかに判定し医療機関に報告します。「L」判定の5年生存率は97%、「I(M)」は84%、「H」は74%というデータが得られているそうです。価格は1検査あたり20万円とのことです。
この検査法に関しては、大学病院などとの共同研究によって性能評価を行ったとのことです。参考文献は上記のHPに出ています。この結果がどのように術後治療方針(抗がん剤併用の上乗せ効果判定など)や、抗がん剤の種類を決定する個別化医療に役立てられるのかはまだ不明な部分もあります。今後の研究報告を待ちたいと思います。
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