2012年2月24日金曜日

乳がんと同時に見つかった他臓器がん(重複がん)

乳がんと診断された時に同時に他の臓器のがんが見つかることがあります。最近もまた1例経験しました。

このようなケースには2つのパターンがあります。

1.乳がんの術前検査中に他の臓器にがんが見つかる場合…今まで私が経験したのは肝臓がん、膵がん、肺がんなど。
*術前検査は主に胸部CT、腹部超音波検査、(骨シンチ)をしますのでこれらのがんが見つかる可能性があります。
2.他のがんの転移検査中のCTなどで偶然乳がんが見つかる場合…同上、胃がん、大腸がん、子宮体がんなど。
*様々ながんの術前検査で胸部CTを撮影するため、偶然に乳房腫瘤を指摘されることがあります。

だいたいは、乳がんの方が進行が遅いため、他の臓器のがんの手術を先行させてから乳がんの手術をします。それで今までは急激に進行してしまった患者さんは1人もいません。みなさん、無事に二つの手術を終えて退院されています。

ちなみに乳がん術後に見つかる他臓器がんや肉腫も様々です。記憶にあるだけで、肺がん、胃がん、大腸がん、肝がん、胆管がん、膵がん、甲状腺がん、子宮体がん、卵巣がん、腎がん、悪性リンパ腫、脳腫瘍(グリオーマ)、皮膚がんなど非常に多彩です(検診を勧めていますがなぜか子宮頸がんは私は経験していません)。この中で多いのは、大腸がん、肺がん、胃がん、子宮体がんでしょうか。つい最近も胃がんと肺がんが見つかった方がいらっしゃいました。

胃がんは最近減少傾向ですが、肺がんと大腸がんは非常に増加しています。ですから私は乳がん術後の患者さんには再発検査の他に胃がん、大腸がんと子宮がん検診をできるだけ勧めています。定期検査や検診で見つかったこれらのがんの多くは早期で治癒できています(ただし膵がんだけは真の早期発見が難しいです)。

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