大腸癌と壮絶に戦って先月亡くなった金子明美さんを取材したドキュメントを元にした書籍、”がん患者、お金との闘い”についての番組を今日の夕方テレビで見ました。
金子さんのことは、STVのドキュメント番組、「命の値段 がん患者、闘いの家計簿」を見て知りました。
元看護師の金子さんは、子供二人とご主人の4人暮らし。進行大腸癌の術後間もなくに再発と診断されて化学療法を繰り返していましたが、家族旅行やマンションの頭金にためていた資金もすべて治療に費やしてしまい、高額な新薬を使うことができないほど困窮してしまいました。彼女は、体調の悪い中、国や役所にかけあったり、街頭でアピールしたりなどの活動を始め、一般家庭の主婦が抗がん剤治療を続けることの困難さを訴え続けました。また、2008年には、リレーフォーライフ北海道の実行委員長として、大腸癌だけではなく、乳癌などのがん検診の啓蒙活動にも力を入れてきました。
残念ながら、闘病もかなわず、2010年1月16日に41才という若さで亡くなってしまいましたが、患者の立場から見たがん治療の問題点を広く世の中に伝えるという大きな功績を残されたと思います。
大腸癌だけでなく、乳癌領域においても、抗がん剤や分子標的薬、ホルモン剤など高額な薬剤を使用します。患者さんからも治療費の相談をされることがあります。でもきっと患者さんたちはぎりぎりまで我慢していたはずなんです。患者さんが私たちにお金の相談をする時はよほどの時なんだと思うようにしています。そういう場合は、すぐに医療相談室に行ってもらって対応してもらうようにしています。
すべてが解決するわけではありませんが、いろいろ使える制度もあります。知らないで黙っていても行政はなにもしてくれません。しこりがあるけどお金がなくて受診できない、治療費が払えなくなったから治療を黙って中断してしまう、薬を間引きして内服する、など実際に経験したことですが、このような状態になる前に病院の相談窓口に声をかけてみて下さい。きっと何か方法が見つかるはずです。
なお、”がん患者、お金との闘い”購入をご希望の方は、書店かSTV store(https://stvshop.jp/shop/item.html?shop=stvstore&m_id=5200)まで。
4 件のコメント:
おはようございます。
まったく、世の中は患者さんにやさしくないですね。新薬が次々出ても、高くて高くで手が届かない。
自分だったら・・・?と考えると家族の生活まで負担をかけるなら、治療を継続できるか悩みどころですね。
生きていたいですもの・・・。
がんサバイバーの皆さん、それ以外の患者さんに本当によい環境で、療養できる事を望みます。
>チュブリンさん
そうですね。当然のことながら命はお金で買えないはずなのに、実際はお金の有無で治療が左右されてしまうような状況になっているのが悲しいです…。
医療費の高騰と財源不足…。政治と世の中の仕組みを根本から変えないと解決するのは難しいかもしれませんが、金子さんの遺志を少しずつでも実現していきたいですね。
私も金子さんの記事を新聞で読みました。本当にお金の問題は切実ですね。私もガン保険に入っていますが、抗ガン剤治療などが長期にわたるとガン保険でさえ保証が足りなくなりますよね。乳ガンが骨に転移していた方がいらっしゃいましたが、幸い抗ガン剤で進行を抑えることができました。ホルモン剤も効果があり内服もされています。そのおかげで、もう2年以上もご家族と一緒に過ごしていらっしゃいます。いつこの薬が効かなくなるか分からない。という不安を抱えながらも頑張っていらっしゃいます。そして、低額医療費の制度がある病院でしたので治療費がかからないようにでき、治療を続けられています。でも、みんながもっともっと安心して医療が受けられる制度ができるといいですね。
>カイセイジンさん
本当にそのとおりですよね。
無料低額診療制度については知らない方が多いと思います。この制度は都道府県などに指定された医療機関でしか利用できませんが、この制度が利用できる病院がどこかさえ調べなければわかりませんよね。もう少しわかりやすいと良いのですが…。
ただこの制度もかなり条件が厳しいですから一部の方しか利用できません。もっと多くの患者さんの経済的負担を軽くできる制度ができるといいですね。
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