乳がんになったお母さんが直面するひとつの大きな悩み、それは自分の小さな子供さんにどうやって病気のことを伝えたら良いのか?ということです。
子供にとってお母さんの象徴でもある大事なおっぱいを失ってしまったり、大きな傷がついてしまったり…、そんな姿を見せたくないという思いもあったと思います。もしかしたらいまだに一緒にお風呂に入っていないという方もいらっしゃるかもしれません。私の患者さんの中にも当時3才くらいだった娘さんと何年間も一緒にお風呂に入れなかったという方もいました。
また、”がん”という言葉が子供さんに死をイメージさせてしまい、不安にさせてしまうのではないかという思いもあるでしょう。
そんな乳がん患者さんの子供さん向けの絵本が発売されました。
”おかあさん だいじょうぶ?”という絵本です。先日朝日新聞でも紹介されたようですが、厚生労働省の研究班(研究代表者=真部淳・聖路加国際病院小児科医長)に参加する医師や臨床心理士ら5人が手がけたもので、挿絵はイラストレーターの黒井健さんが担当しています。
この研究班の報告によると、子供さんを持つ乳がん患者さんのうち半数近くは子供さんへの伝え方に悩み、約7割がその生活や勉強への影響を心配していたそうです。一方、子供さんの方も、8割が母親の病気で中等症以上の心的外傷後ストレス症状を示していることがわかったということです。またこの本には、絵では描き込めない児童心理や医学的な問題を「解説新聞」として織り込んでありますので参考になることが多いと思います。
絵本は書店やAmazonからも購入できますし、小学館のホームページからも注文できるようです。私もさっそく注文しました。
詳細は”Hope Tree~パパやママががんになったら~”のHP(http://www.hope-tree.jp/news/#1266035736-384179)をご覧ください。
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