2010年8月11日水曜日

高齢者の乳がん治療

乳腺外科がある私の病棟は、胸部外科と内科(腎臓、リウマチ)の混合病棟です。最近は夏枯れで外科患者数は少なめで経過しています。
今朝の回診で、妙に高齢者が多いなと感じたので調べてみました。

結果は、全体の「平均」年齢は、71.1才!この中には90才代3人を含めて、80才以上が37.5%を占めていました。なんと3人に1人以上が超高齢者なんです。ちなみに外科だけでみてみると、平均年齢は68.5才とやや若めですが、それにしても一般の病院に比べると高齢です。

もともとうちの病院は市内の他の総合病院より高齢者は多いと思います。以前調べたときには、乳がん患者さんの3人に1人は70才以上でした。一般的には40-50歳代にピークがあることを考えるとやはり乳がんに限ってみても平均年齢は高いと思います。

高齢者が多いといろいろ気をつけなければならないことがあります。認知症の方も多いのでコールが頻回だったり、転倒事故が起きやすかったり、看護師さんの労働にはかなり負担がかかります。手術にしても、合併症を持っている患者さんが多いのでなるべく負担をかけないようにしなくてはなりませんし、術後の補助療法の適応も若い患者さんと同じには考えることはできません。

ただ、乳がんの手術は比較的侵襲が少ないので、高齢者の方でも根治手術が可能な場合が多いのです。ちなみに当院での最高齢は94才です。早期に発見できれば、全身状態があまり良くなくても場合によっては局所麻酔での部分切除で治癒させることも可能です。何歳になっても乳がんの早期発見は重要だと思います。

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