2010年8月20日金曜日

米国で思春期早発の女児が増加〜乳がんリスクが上昇する可能性

米国では、女児の性成熟の低年齢化が進んでいるようです。

2004年と2006年に米シンシナティ、ニューヨークのイーストハーレム地区、サンフランシスコの6~8歳の女児1,200人強を対象に、乳房組織の状態を触診により調べた結果、7歳では白人10.5%、黒人23.4%、ヒスパニック系15%、8歳では、白人18.3%、黒人43%、ヒスパニック系31%に乳房の発達が認められたとのことです。

10年前の研究では、白人では7歳時で5%、8歳時で10.5%、黒人では7歳児で15.4%、8歳時で36.6%に乳房発達が認められたという(ヒスパニック系のデータなし)ことですから、明らかに性成熟が低年齢化しています。

原因として関連があるのは過体重(肥満)で、思春期の発来に関係する脂肪細胞中のレプチン(http://ja.wikipedia.org/wiki/レプチン)というホルモンが増加するためではないかとシンシナティ小児病院のFrank Biro博士は述べています(ちなみに乳製品の摂取や化学物質との相関は指摘されていません)。

思春期の早期発来は、①生涯の乳がんリスクが増大する②男性からの性的な誘いなどの問題など、女児に心理的、社会的なストレスをもたらすとノースカロライナ大学のMarcia Herman-Giddens博士は述べています。


また、英国の8~14歳の女児を対象とした別の研究では、母親が12歳前に初経を迎えた女児、妊娠中に喫煙していた女児、あるいは第1子である女児は早熟の比率が高いことが明らかになったほか、母親が肥満であると娘も過体重となる傾向があることも判明しています。出生時の体重や身長による影響はありませんが、乳児期の急速なボディ・マス・インデックス(BMI)の増加は早熟との関連が認められているそうです。

以上の結果から、とりあえず自分の子供の乳がんリスクを増加させないためにも適切な栄養管理と運動を幼少時から行なっておくべきだということは言えます。乳製品だけを避ければよいということではなく、過体重にさせないように親として気をつけたいものです。

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