香りというのは不思議です。とても快適に感じる場合もありますし、強烈すぎて不快になる場合もあります。同じ匂いでも相手によって感じ方が違う場合もあるかもしれません。また、化学物質過敏症(この中には真の過敏症ではない人も多く含まれている可能性がありますが…)の方の中には非常に体調を悪くしてしまう方もいらっしゃるようです。
私が診察しているときも時々香水の匂いで困る場合があります。過剰につけていらっしゃる方のあとはその匂いが診察室に充満してしまい、しばらく残ってしまいます。私は過敏症ではありませんし、多少の強い匂いでも大丈夫ですが、時に咳き込んでむせてしまいそうになることがあります。これは明らかにつけ過ぎだと思います(汗)
先日の患者会の時にある患者さんから情報をいただきました。昨年末に超音波検査を受けた時に技師さんの香水の刺激で咳が出そうになって指示通り呼吸を止めるのが大変だったということです。私の記憶では技師さんたちの中で気になるほどの強い香水をつけている人は記憶にないのですが、検査する場所はかなり狭い場所なので香りがこもってしまったのかもしれません(前の患者さんの香水の匂いが残っていた可能性もあります)。
*追記*
その後超音波検査室に確認しましたが、その時の担当技師をはじめ、全員香水はつけていないということでした。やはり前の患者さんの香水が残っていたものと思われ、そのような場合には換気を行なうように対応することにしました。
医療従事者の身だしなみとして、香水はつけてはいけないと言われる場合が多いのですが(患者さんに不快感を与えたり、病気によっては過敏反応を起こす場合があるため)、実際は控えめなものをつけていることも多いと思います。私もオーデコロンを使っています。今まで不快だと言われたり苦情が来たことはありませんが、仮に大部分の人には心地よい香りであっても不快に感じて我慢している人もいるということに注意しなければならないとあらためて感じました。
一方、アロマテラピーは香りを治療として用います。私も詳しくはありませんが、香りの種類によって鎮静、抗うつ、鎮痛、リフレッシュ、免疫改善などに効果があると言われています。化学療法室を開設した当時、アロマテラピーを取り入れようかと考えたことがありました。しかし、化学療法中の患者さんは味覚だけでなく嗅覚にも変化を生じやすく、中には不快に感じる患者さんもいるかもしれないと思って取りやめた経過がありました。
香りというはとても魅力的で治療効果がある場合もありますが、時と場合によっては周囲に不快感を与えてしまいます。なかなか難しい問題ではありますが、医療従事者としては気をつけなければなりませんね。
6 件のコメント:
香水は、きついと・・不快になってしまいますね・・
私も、仕事上^^香水はつけません・・
最近、はまってるのが、・・アロマです・・
いろいろ試しましたが・・
キィーウィーの、アロマキャンドルが・・
いいですよ^^
癒されます~
ろうそくの、光が揺らめくのも・・素敵です。今度、試してみて、下さい^^
治療に、役立つのが・・わかりました~
>ホワイトさん
キウイのアロマですか?初めて聞きました(笑)果物系はなじみやすいので誰にでも受け入れやすいかもしれませんね!
これから少しアロマについても勉強してみようかと思っています。
香りは人により好みもありますし、不快に感じることもありますね。
私も少しだけ、アロマを取り入れています。
メディカルアロマという言葉もあるそうですが、治療中の不快な症状を緩和してくれる精油もある一方で、ホルモン療法中は、避けたほうがいい精油もあります。
難しいこともあるので、本を一冊、ご紹介します。
乳がん体験者お二人の共著で、「乳がんの人の心と体に 素敵にアロマテラピー」という本が、今年発行されました。
心のケアだけでなく、放射線治療中、化学療法中、ホルモン療法中のアロマによるセルフケアなどが紹介されています。
お一人は、発行を見ることなく、昨夏、旅立ってしまわれましたが、最期まで精力的に本の発行に関わっていたそうです。
もう一人は、看護師さんでもあります。
もちろん、乳がん患者でなくても役立つ情報がたくさんあります。(虫除けスプレーやハンドクリームの作り方など)
お薦めの本です。
>陽さん
情報ありがとうございます。さっそく本をチェックしてみます。
アロマが多少でも乳がん患者さんのストレスの解消になれば良いと私も思います。嗅覚は鈍い方ですが勉強します!
においが不快であっても言いだせないのがほとんどです。私の知り合いの乳腺外科医の匂いは強烈で、身体症状まで引き起こし、匂いが染みつくほどですが、診てもらっている立場上、ひたすら我慢するのみです。看護師さんのマスクも分厚い・・周りの苦痛を思えば、クレームが来ないから大丈夫・・・ではありません。
匂いは香害になるのです。アロマも合う合わないがあり、個人で楽しむべきものだと思います。
>匿名さん
コメントありがとうございます。
結局化学療法室のアロマは行なっておりません。ご意見を参考にさせていただきたいと思います。
ただ、体臭に関しては難しい問題ですね。体臭を隠すために香水をつけるとかえって強烈な臭いになることもありますし、その人が好んでその体臭に生まれたわけではありませんから。できれば無臭の制汗剤などをエチケットとして使用するのが望ましいと思いますが、当直あけでシャワーも浴びれずに外来に出なければならない場合もありますので…。さりげなくそのことを伝える方法があれば良いのですがなかなか難しいですよね。
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